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外国語研究室
中山 麻美|2020.07.17VIEW 373
言語学習に対する動機づけの研究と実践
大学生の言語学習に対する動機づけについて研究しています。長期的に動機づけを持続できる学生、そうではない学生にはどのような違いがあるのかをアンケートやインタビューで探り、学習に対する動機づけのメカニズムの解明を目的としています。最近、英語教育分野では動機づけ研究の知見を授業に反映する試みが広がっています。これまでの先行研究では英語で何かを成し遂げるという成功体験を小さくても積み重ねることが学習意欲を向上させる。また授業内で教師主導型ではなく、学生主導型で授業を進めることがLearner Autonomy(学生の自立性)を促進し、学習効果に高めることなどが報告されています。その方法の1つとして、Content-Based Instruction(CBI)の授業が注目されています。CBI授業では、関心を持ったテーマについて英語で内容を理解しようと試み、それに対して自分の意見を英語で述べることを重視します。つまり、実践の中から英語を学ぶという形態で授業を行います。この方法で学生のAutonomyを高め、「英語でできた!」という達成感を学生が得ることで英語学習への動機づけに繋げていきます。
実際に私が本学で担当している授業では、学生自らが関心のあるテーマを選び英語の文献等から情報を集め、グループで英語によるポスター発表を行っています。この活動を通して英語で相手に伝わったという成功体験を自信に変え、学習意欲を高めてもらいたいと思っています。学生にはブロークンな英語でも、きちんと「伝わる英語」を身に付けて欲しいと考えています。
グローバル化が進み、医療現場では語学力が求められる時代になってきました。これらのニーズに対応するために言語学習に対する動機づけの研究結果を教育現場に還元していきたいと思います。
外国語研究室
講師 中山 麻美