HOME > 研究者紹介 > 化学系研究室 > 植物の産生する有機化合物の単離と構造解析を礎とした天然物化学研究
化学系研究室
伊藤 哲朗|2020.07.31VIEW 2,348
植物の産生する有機化合物の単離と構造解析を礎とした天然物化学研究
薬学研究では、植物素材に代表される天然資源由来有機化合物のもつ生体への有用作用の科学的根拠の解明と、それらの利活用策の創意実現が求められます。わたしたちの研究室では、この要求に答えるために天然資源の創り出す有機化合物に焦点をあてて、以下に列挙する基礎研究を行っています。
医薬先導化合物及び機能性成分の探索
人が薬物や食用として利用してきた植物の草木根皮や菌類より、疾病の治療や予防・健康増進に資する有用化合物を見いだします。天然素材より単離した有機化合物の化学構造を解明するとともに、各種生化学的手法を駆使して、得られた成分の生物活性を明らかにします。未利用天然資源に含有する化合物にもスポットライトを当てて研究を進めます。
メタボロミクス手法に立脚した薬用作物の優良種の品質評価
薬用作物素材の品質評価法を、高速液体クロマトグラフ−高分解能質量分析装置を用いたメタボロミクス手法を駆使して開発します。本テーマでは、地域産出作物の高付加価値化による地域振興に加えて、地域薬用植物園とのコラボにより優良株の育成と保存を目指します。
質量分析イメージングによる天然素材中の有用/有害物質の可視化と応用
「天然素材のどの部位に、いつ、どの程度、どのような化合物が出現/消失するか」を分子の質量を測定し、画像化することにより解明します。研究を通して、天然資源を利用した化合物産生に資する創薬研究、及び食中毒予防に資する衛生化学の基礎研究に貢献が可能です。
違法に使用される薬物の分析と類似成分との識別
ハーブ系ドラッグの分析は、常に誤同定と背中合わせです。わたしたちは、高度分析機器を駆使して、従来困難とされてきた構造異性体の識別に資するワークフローの構築をすすめています。
化学系研究室
教授 伊藤 哲朗
こんな記事も読まれています
生物活性物質の合成研究
野下 俊朗|2020.07.31VIEW 1,192
有機分子触媒の開発
萬代 大樹|2020.07.31VIEW 1,912
神経炎症イメージングリガンドの開発
小縣 綾|2020.07.31VIEW 736
植物が生成する二次代謝産物を用いた抗腫瘍薬の開発
深谷 匡|2020.07.31VIEW 2,117