岐阜医療科学大学薬学部|薬学科

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教員コラム

笹井 泰志|2020.10.16VIEW 21

薬のかたち


薬には様々な使い方があります。どうせなら痛みなどの不快感がなく、いつでもどこでも使える薬が理想ですが、病気の特徴や有効成分の性質によって、どんな形でもよいというわけにはいきません。

錠剤や粉状の飲み込むタイプの薬「経口剤」の多くは、食事と一緒で胃を通過後、有効成分が消化管から血管内に取り込まれます。
服用、保管、携帯がしやすく、服用量の調整や複数の薬の同時服用ができるため、種類も豊富です。特に、長期間の服用が必要な病気(高血圧症や高脂血症など)や急な症状(腹痛や頭痛など)のときには助かります。

発熱や痛みに対しては「坐薬」が処方されることがあります。坐薬は、肛門から入るとその場所(直腸)にとどまり、溶け出した有効成分が血液に入るので、口から飲む場合よりも早く効率的に作用します。使用は面倒ですが、急な対処が必要な時に自宅で使えるのは大きなメリットです。

「塗り薬」や「貼り薬」は、有効成分が使った場所近くにとどまる割合が多いので、痒みや痛みなど特定部位の症状を抑えたいときに有効です。使用時の苦痛や不快感も小さく、他の場所に副作用が出にくいのも特長です。なお、貼り薬には喘息治療に用いられる薬など、一度有効成分を血液に移し、離れた場所で作用させるものもあります。

薬を血管内や患部に直接注入できる「注射」は、効果が出やすく体内の有効成分の量をコントロールしやすいという利点があります。そのため様々な病気や症状の治療に使われますが、痛みを伴う点、点滴での投与だと時間がかかる点、ほとんどの場合投与は病院で行われる点など、患者さんの負担が大きいのが難点です。

薬のかたちは日々改良されています。例えば、最近は水なしでも服用できる錠剤が増えてきましたし、注射も痛みを感じにくい針の開発や、従来、注射でしか投与できなかった有効成分を飲み薬や貼り薬にしようとする研究も進められています。このように少しでも薬を使いやすくすることは、私たちの生活の質も向上にも繋がっていきます。

執筆教員紹介

職位・学位:教授・博士(薬学)
氏名:笹井 泰志
専門分野:物理化学分野(薬物キャリア・バイオマテリアル・高分子化学)
担当科目:物理学、物理化学Ⅰ・Ⅱ、物理系実習、物理系薬学演習、製剤学Ⅰ・Ⅱ、総合薬学特論Ⅰ・Ⅲ・Ⅴ、特別研究Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ

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