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教員コラム

伊藤 哲朗|2020.11.18VIEW 266

健康被害から国民を守る「砦」となる薬剤師

 

「通常の食品より健康に良い」、「ダイエットの助けになる」といったうたい文句で販売される無数の健康食品。「天然物由来の製品だから」や「食品だから」という理由だけで、安全・安心な商品と断言できるでしょうか。
 インターネットやSNSを介して購入できる健康食品(輸入品)の中には、濃縮された成分や医薬品成分が意図的に配合されたものもあり、時として健康を脅かす場合があります。日本では医薬品成分が含まれた食品は違法ですが、「健康食品」の明確な定義がないために、購入・使用は一人ひとりの判断に委ねられています。そういった成分不詳の健康食品の流通と消費者の健康被害を未然防止するために、化学のメスを用いてパトロールする機関が国内に存在します。
消費者による健康被害情報は、地方の保健所を経て薬事行政(都道府県の機関)に送られます。衛生研究所などの試験研究機関では、分析のプロフェッショナルとして研鑽を積んだ薬剤師が待ち受けており、健康食品に含まれる有害成分を特定するために迅速な検査が実施されます。そこで問題が見つかった場合には、健康被害の原因となった有害成分の情報が公開され、有害な製品の流通による健康被害の拡散を全国レベルで防ぎます。一例として、痩身効果をうたった健康食品から医薬品成分が検出された事案が挙げられます。令和元年6月に公開された「厚生労働省と岐阜県による注意喚起(https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail3992.html)」の中で、医薬品成分の含有が疑われる健康食品の情報が公開され使用の注意が促されました。

 このように行政機関に従事する薬剤師は、縁の下の力持ち。平常時には市場に出回る商品を用いた健康食品中化学成分のモニタリングを通して分析の腕を磨きながら、緊急時の対応に備えています。健康食品による健康被害から国民を守る「砦」として、薬剤師が活躍しています。

執筆教員紹介

職位:教授 氏名:伊藤哲朗
専門分野:生薬学分野(生薬学・天然物化学)
担当科目:薬学入門、薬学基礎実習、薬用植物学、生薬学、生薬学実習、生薬学演習、天然物薬品化学、生薬学特論

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