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教員コラム

|2021.10.20VIEW 3,049

【記事】薬に使用期限ってあるの?


「お医者さんから処方された薬(処方薬)はいつまで使えるの?」と迷ったことはありませんか。

症状がなくなったので服用を早めに止めると、薬が手もとに残ります。
捨てるのはもったいないし、また必要になるかもしれないからとっておこう...。
ありそうな話ですね。

でも、薬局で購入した薬(市販薬)と違い、処方薬は医師があなたの病状や症状に最適と判断したオーダーメイドの薬です。
なくなるまで続けて服用するのが基本ですから、大丈夫と思っても最後まで飲み切りましょう。

もしも処方薬の残りがある場合、それを別の機会に利用できるのでしょうか?

同じような症状が出た時にそのような薬を服用するのは、医師の指示ではなく自分の判断による行為のため、何か不都合が起きても医師に責任を問うことはできません。前とよく似た症状でも実は全く異なる病気だったため、過去に処方された薬を服用して逆に症状が悪化することもあります。

例えばロキソプロフェンという薬は、様々な診療科で処方される鎮痛薬ですが、胃炎や胃潰瘍が原因で起こる腹痛に服用すると、胃の内部の炎症や出血が重症化する可能性があります。

このような例もあるため、自分の判断で以前処方された薬を服用することは控えましょう。
まして、自分が処方された薬を家族や他人に勧めることは、予期せぬアレルギーなど危険な副作用を起こす可能性があるため止めるべきです。

また、細菌やウイルス感染症の治療に用いられる抗菌薬、抗ウイルス薬は、処方された日数分を最後まで飲み切ることが特に重要です。
服用を中断すると、体内に耐性化(薬が効きにくく変化すること)した細菌やウイルスができやすくなるので注意が必要です。

ただし、頓用(症状がある時だけ服用)で処方された薬や、医師から服用中断が許可されている薬はその限りではありません。
その場合は、薬剤師に適切な服用方法と残った薬の保管方法、使用期限などを確認しておき、必要な時に正しく服用できるようにしましょう。

執筆教員紹介

職位:准教授
氏名:谷澤 克弥
専門分野:臨床薬学分野(がん化学療法、支持療法)

 

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