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|2021.10.22VIEW 56

【記事】東京2020五輪 ドーピング検査で失格者!?


スポーツの世界大会が開催される度にドーピングが話題に上ります。
ドーピングとは、“スポーツにおいて禁止されている物質や方法によって競技能力を高め、意図的に自分だけが優位に立ち、勝利を得ようとする行為”のことです。

トップアスリートは競技会の時だけでなく、抜き打ちで年に数回、検査を受けなければなりません。
そこまで厳しくしてもドーピングが無くなることはありません。
残念ながら東京2020五輪でも陸上競技女子100mの選手の検体からヒト成長ホルモンが見つかり、資格停止処分になりました。

成長ホルモンは私達の体の中で作られ、骨や筋肉の成長を促す作用を持っています。
成長期に分泌量が少ないと低身長症、逆に過剰に分泌されると巨人症、成人してから過剰に分泌されると先端巨大症を引き起こします。

医薬品としてのヒト成長ホルモンは低身長症の治療薬として用いられ、サッカー選手のリオネル・メッシが少年時代にこの治療を受けたのは有名な話です。
メッシの場合は、身長を伸ばすという治療目的で使用されたためドーピングには当たりません。

一方、今回処分を受けた短距離選手の場合はどうだったのでしょうか。
詳細は報道されていませんが、基準値を超える成長ホルモンが検出されたことにより、処分が決定されたのでしょう。

100mの選手にとって、一般的に筋力の向上は記録の向上につながります。
したがって、ヒト成長ホルモンを投与して筋肉を成長させることは、記録を向上させる効果があると考えられ、常に禁止される物質として世界アンチ・ドーピング規定の禁止表に記載されています。

スポーツファーマシストの役割は、アスリートや指導者に対して薬に関する教育・指導をして、スポーツ界からドーピングを排除することです。
これをアンチ・ドーピング活動と言います。

禁止物資を使用しないのは当然ですが、意図しないドーピング(うっかりドーピング)による違反者を出さないように適切なアドバイスをすることも重要な役割です。
スポーツファーマシストは、アスリートが健康を害することなく、フェアプレーができるスポーツ界になるよう、このような社会貢献活動をしています。

執筆教員紹介

職位:教授
氏名:金子 葉子
専門分野:生化学・細胞分子生物学分野 神経化学

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